第170章

冷静を取り戻した前田南は、非現実的な思いを頭から振り払った。

仕事に専念し始める。

元々デザインの進行状況は良かったが、様々な理由で遅れを取ってしまった。

そのため、前田南はゼロからやり直す必要があった。

幸い伊藤奈々は諦めなかった。もし彼女が投げ出していたら、その後どんな状況になっていたか想像もできない。

ちょうど手元のデザイン案を描き終えたところで、

前田南はその内容を伊藤奈々に送信した。

「ちょうど会いに行こうと思ってたところよ。今時間ある?」伊藤奈々は見終わるとすぐに返信してきた。

「会社にいるわ」前田南はデザイン案を描き続けながら返した。今はこのように生活を整えてい...

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